■実は書籍化の話、2年前からいただいていました
2021年4月21日に新刊『大人になっても思春期な女子たち』が青春出版社から発売されました!
前作『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか―さびしい母とやさしすぎる娘』(さくら舎)から実に7年ぶりの出版。久しぶりの単行本執筆に、かなり力が入りましたよ~。
そもそも、この本の執筆のお話は3年前、2018年にいただいていました。私がAll Aboutで執筆したコラム『大人になっても「思春期」な女性が抱える憂鬱』を読まれた青春出版社 編集部の石井さん。
「この“大人の思春期”というテーマは、どこか大人になりきれない独身女性のという心境をずばり突いている。ぜひ、本にしませんか?」と提案してくださったのです。
■仕事と趣味で忙しい、でも「どこかむなしい」のはなぜ?
たしかに、巷には平日はバリバリ仕事、休日は推し活やオタク、女子会で忙しく、毎日興奮気味で過ごす女性があふれている。
本人たちがそれを好きでやっているなら、他人がとやかく言う筋合いもありません。でも、楽しみながらも「どこかむなしい」という気持ちになってしまうのはなぜか……。カウンセリングでも、そうした女性の悩みを聞くことが増えていました。
編集者の石井さん自身も、私のコラムを読み、自分自身もかつては“大人の思春期”だったのだ、ということに気づいたのだそうです。
“大人の思春期”の渦中いる女性は、日々を楽しみながらもモヤモヤしていて、そこから脱する方法を知りたいと思っている。でも、「婚活成功術」や「バリキャリになる方法」のように、ソリューションやや強引に提案するような本には、違和感を覚える女性もたくさんいる。
そこで石井さんは、「心理学に基づいて、じっくり自分の気持ちと向き合う本をつくりませんか?」と言ってくださったのです。
■“小手先のテクニック”を指南する本なんて、書けません!
これは著者冥利に尽きます!
だって、前作を出版した後にも、いくつか単行本執筆のお話はあったのですが、「ストレスがなくなる30のメソッド」や「読むだけで悩みがなくなる本」など、“小手先のテクニック”を指南する本ばかりを提案され、ゲンナリしていたのです。
はっきり言って、自分のストレスや悩みに向き合うのに、“小手先だけのテクニック”など通用しません! もちろん、雑誌やコラムなどのライトな読み物でなら、いくらでも指南はできます。
でも、単行本を1冊書くとなると、その骨子に「なぜストレスに振り回されるのか」「どうして悩みがなくならないのか」といった、自分自身の“こころ”としっかり向き合う内容が書かれていないと、お金を払って本を買ってくださる読者はけっして納得できない! 私はそう思ったのです。
■自分の心とじっくり対話する本をつくりたい
青春出版社の石井さんは、最初から「“テクニック本”ではなく、満たされない気持ちの原因はどこにあるのか、自分の心とじっくり対話する本をつくりたい」と言ってくださいました。
「この方となら、自分らしさを殺すことなく、新しい本がつくれそう」とワクワクしてきました。
ですが、2年前の私は「大人の思春期」というテーマに、どこか乗り気ではありませんでした。当時の私は企業研修の仕事が忙しく、単行本執筆に割く時間がなかった、ということもあります。
でもそれよりも何よりも、どこかこのテーマに対して自分の気持ちが後ろ向きだったのです。その理由については、次の記事でお話ししますね。
▶次の記事:『大人になっても思春期な女子たち』誕生秘話~その2:2年前の自分には、なぜこの本を書けなかったのか?
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